家づくりに際しては、年回りや日柄も気になるものですね。家づくりは一大事業、人生の大仕事ですから、やはり良いとされる年、日柄を選んで臨みたいという方も多いのでしょう。
年回りというと思い浮かぶのが「厄年」ですね。男性42歳、女性33歳が、前厄・後厄を含め「何かよくないことが起きる年」として定着していますが、家づくりに関しても、昔からこの年に行うことはタブーとされてきました。しかしこの厄年も、ただ怖い年、何をするにもよくない年というわけではありません。この年齢が厄年として注意されるのには、それなりの理由があるのです。
まず、男性の42歳といえば、家庭を持って子供も反抗期を迎える頃。倦怠期などと呼ばれ、家庭でのストレスも感じやすい年齢です。職場でも責任のあるポストに就き、心身に負担を感じることも多くなる時期なのです。女性の場合も、やはり33歳という年齢は、家事や子育てなどでストレスを感じやすいときといえます。それゆえ、男女ともに体にも変調が出やすく、何かにつけ注意しなければいけない年とされたのでしょう。
また、この厄年の年齢は脂の乗りきった時期でもあります。ですから、つい無理をし過ぎて、健康を損ねたりすることもある時期なのです。それが42歳なら「死人」だとか、33歳なら「散々な目に遭う」などと語呂を合わせ、厄年は怖いものとイメージさせてきたのでしょう。
本来、厄年とは人生の節目に当たる年齢のことで、小厄、大厄を合わせれば、一生に何度もあるものなのです。七五三の行事も、子供の健やかな成長を祈願する厄除けとして始まったといわれています。
・男の大厄 25歳 41歳 42歳 43歳 61歳
・女の大厄 19歳 32歳 33歳 34歳 37歳 61歳
・男女ともの小厄 1歳 3歳 5歳 7歳 10歳 13歳 24歳
28歳 46歳 49歳 52歳 55歳 60歳 64歳
70歳 73歳 77歳 82歳 85歳 88歳 91歳
伴侶の男性が大厄の年は女性は小厄になります。
伴侶の女性が大厄の年は男性は小厄になります。
ですから、上記のように厄年はいくつもあり、配偶者や子供が厄年の年も、やはりその影響を受けるでしょう。つまり、結婚して子供を持ったら、人生のほとんどが厄年になってしまうと言っても過言ではないのです。厄年だから家を建ててはいけないというのなら、一生家づくりはできなくなってしまいますね。
そして、日柄といえば、大安が吉の日、仏滅が凶の日というのがお決まりですが、暦の「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」は「六曜」と呼ばれ、中国で吉凶占いに使われていたものです。日本には室町時代に伝えられ、祝い事などの日取りを決める際に、縁起をかついで用いられてきました。

しかし、その元々の意味合いは、現在のものとはずいぶん違っているようです。たとえば「友引」は、本来は「先勝」と「先負」の間にあって「相打ともに引きて勝負なし」の日。良くも悪くもない日だったようです。今日のように、友を引くから祝い事には良い日、葬儀などには悪い日という意味のものではなかったのですね。
また、建築の場合は、「三隣亡(さんりんぼう)」も避けるべき日とされています。「六曜」で大安であっても、その日が三隣亡にあたれば凶となり、この日に着工・上棟などを行うと、近隣三軒にまで災いが及ぶといわれてきました。しかし、江戸時代の暦には三隣亡の記述は一切なく、それどころか江戸時代の雑書には「三輪宝」と書かれ、吉日といわれていたのです。「三輪宝」が「三隣亡」に、いつの間にか変わってしまったのでしょうか。
年回りも日柄も、基本的には迷信や言い伝えですが、冒頭にも申し上げたように、家づくりは人生の一大事業です。健康に気をつけて、あわてずにゆっくり取り組みなさいと、私たちに教えているのだと思います。年回りや日柄をことさら気にするのではなく、仕事や家族のスケジュールなどを考慮し、無理のない時期にされることが何より大切。あわてず計画的に、そして自然体で臨むことが、良い家をつくる秘訣だと考えてくださいね。