お掃除好きは吉

「家相は対策ができるもの。改善する策を施すことで、凶も吉とすることができる」というのが、家相研究家である私の持論です。そして、その改善策とは、今までにもお話したように、住まいの設備や機器であり、住む人の暮らしぶりでもありますが、もうひとつ、私が声を大にしてみなさんにお伝えしたいのが「掃除」です。

最近はよくテレビや雑誌などでも、「金運をアップさせる掃除術!」「トイレ掃除で宝くじが当たる!」などといったタイトルで、掃除が取り上げられていますね。家相や風水でも、掃除をすることは古来より吉とされています。ただしそれは、金運がよくなるとか、宝くじが当たるという理由からではありません。掃除がもたらす吉とは? また、家相をよくする掃除とは? 今回はそんなお話をしてまいりましょう。

さて、唐突ですが、ここに2軒の住まいがあります。1軒は、迷信といえども鬼門から水回りをすべて外し、風通しも十分で快適な間取りです。安全に住まうための配慮もされています。しかし、留守がちで日中に窓を開けることがなく、掃除や手入れもほとんどされていない状況です。もう1軒は敷地の条件も悪く、鬼門にトイレと玄関をつくらざるを得ませんでした。風通しも十分とはいえませんが、そのぶん窓を開けて風を通すよう心がけ、掃除も毎日しています。

さて、この2軒、どちらが家相学上「良い住まい」でしょうか。私は断然、後者を吉とします。いくら間取りがよく、快適で安全な住まいといっても、風も通さない、掃除も手入れもしないでは、埃や湿気も溜まり、室内の環境は悪くなる一方ですね。これではせっかくの住まいも、その良さを発揮できません。

一方、気になるところがある住まいでも、それを補うべく掃除や手入れをし、風通しを心がけていれば、埃や汚れもたまらず、室内の空気環境はいつも良好です。どちらの住まいが住み良いかは、みなさんももうおわかりですね。

実は、これこそ家相学の骨子でもあるのです。家相は、「家の間取り、構造で吉凶をみるもの。そして中の様子でも吉凶をみる。中国思想に基づく考えもある」と辞書にあります。これが家相の正式な解釈です。

家をつくるうえで、間取りや構造の良し悪しを考えることはとても重要です。中国思想には迷信もありますので、これは適度に付き合えばよいでしょう。しかし「中の様子」、つまり、家人の生活ぶりや心構えなどは、家相では大切なことでありながら、実際は忘れられているように思います。いくら間取りや構造が吉であっても、家人の生活ぶり次第では、住まいは凶ともなりうるのです。

反対に、間取りや構造では吉といえない住まいでも、家人の心がけや生活ぶりで、家相はいくらでも改善できるものです。たとえば、鬼門のトイレ。不浄の場所であるトイレが鬼門にあることを思い悩む方も多いのですが、そんな時こそ、大いに掃除を活用していただきたいのです。トイレが不浄だからいけないのであれば、常にきれいに掃除をして、不浄でなくしてしまえばよいのです。鬼門除けのお札や置物に頼るより、自分の手で対策をしたほうが、はるかに効果もあると私は思います。

それに何より、気持ちもスッキリするはずです。家相がよくないと思いながら生活するのでは、心身の健康にもよくありません。掃除とはその字のごとく、掃き除くこと。埃や汚れだけでなく、心の中の鬼門も、きれいに掃き除くことが大切ですからね。

また掃除は、いくつもの吉を住まいにもたらしてくれます。まずは健康運。先ほどもお話したように、掃除が行き届いた住まいは、埃やカビ、ダニなどが少なく、家族が健康的に暮らせる住まいとなります。壁のクロスなど、室内の拭き掃除も念入りにすれば、気になる住まいの臭いも少なくなり、さらに快適に暮らせることでしょう。きれいに掃除され、埃や臭いのない住まいは、訪れた人にも良い印象を与えますから、社会的な運も上がるといえるでしょう。

そして、掃除や手入れをこまめにすれば、大切な住まいを長持ちさせることができます。掃除をしていて水漏れに気付いたり、カビが生えているのを見つけたりすることも多いですね。住まいの不具合や設備機器の故障なども、普段から掃除や手入れをしながら見ていると、早い段階で見つけることができます。修理やメンテナンスで、予想外な出費をすることも避けられるでしょうし、湿気やカビ、雑菌などで傷みやすい玄関や水回りも、掃除や手入れをすることで、衛生的な環境を保つことができます。出費を抑えられるという意味では、財運もまた吉といえますね。

掃除は本来、住まいを清潔にし、住み良い環境をつくり、建物と人の健康を助けるものであります。掃除をしたからといって、お金が舞い込んだりするものではありません。私も毎日トイレの掃除をしていますが、いまだに宝くじが当たった例しはありません。

小池康壽の家相学では、「掃除はさまざまな吉運をもたらすなり。建物と人、双方の寿命延ばすものなれば、怠ることなく掃除に励むべし」とお伝えしておきましょう。