洗面室の家相

この冒頭部分では、いつも古い家相書の中の一節をご紹介しているのですが、今回の洗面室に関しては、私が所有する家相書には、その記述が見当たりません。それもそのはず、現在の洗面室の役割を考えれば、入浴時の脱衣場であり、洗顔やうがい、手洗いをする場所であり、また、化粧や身支度をする場所でもあり、洗濯機を置く場所でもあります。このように多岐にわたる用途を持った部屋は、昔の住まいにはありませんでしたからね。ですから、洗面室の吉凶は、現代ならではの考えで判断していかなければならないでしょう。今回は、そのいくつかの現代家相学をお話しましょう。



まずは、洗面室の位置ですが、私は玄関からできるかぎり近い場所がよいと、いつもお話をしています。脱衣と洗濯の場でもある洗面室は、お風呂とは一体で配置されますね。それゆえ、玄関の近くというのはどうかと思われるかもしれませんが、うがいや手洗いをするという洗面室の役割も、住まいではとても大切なものなのです。

うがいや手洗いは、「最も古くからある最も新しい病気の予防法」といわれています。インフルエンザや食中毒の予防にも、まずはうがいや手洗いをといわれるように、直接的な抑止効果はなくても、殺菌や免疫力を高めるためにはよいと医学的にもいわれています。このうがいや手洗いが、毎日の習慣として行いやすい住まいであれば、家族の健康運も大きくアップすることでしょう。

その意味でも、玄関の近くに洗面室があれば、帰宅してすぐにうがいや手洗いをすることができますね。洗面室が玄関から遠いところにあったり、台所を通らなければならないなど、動線上入りづらい場所にあったり、3階建てで2階や3階にしかない場合などでは、ついうがいや手洗いを忘れがちになってしまいます。うがいや手洗いを毎日しやすい場所につくること。まずはこれが、吉の洗面室のポイントです。

そして、洗面室は明るい環境であることも大切です。朝起きて顔を洗う際、顔色や目の充血、肌の状態、歯茎の色や舌の状態など、鏡で健康状態を確認できるのも洗面室です。毎日見ている顔だからこそ、自分の健康状態がきちんとわかるようにしたいもの。

そのためにも、できれば自然光が入る明るい場所に洗面室をつくりたいものですが、明るい場所には居室を優先してつくることが多いはずです。そこで、明るめの照明を設置したり、内装を白っぽくしたりして、明るい洗面室をつくる工夫をしましょう。陰影ができにくい洗面台専用の鏡なども市販されていますから、これを利用するのもよいですね。明るい洗面室で、鏡に映る自分の顔がきれいに見えれば、1日を気持ちよくスタートできることでしょう。

もうひとつ、忘れてはならないのが「暖房」です。ヒートショックを起こさないためには、お風呂と同じように洗面室にも暖房が必要です。寒い洗面室で衣服を脱いだ際に、血圧上昇を引き起こしてしまうことも多いのです。それを防ぐためにも、洗面室こそ暖房をしっかり計画しておきましょう。タオルを常時乾いた状態にし、洗面室内も暖かくする効果があるタオルウォーマーなどは吉のアイテムです。また、寒冷地では洗面室を広く設計し、温水器やボイラーを設置して、余熱で洗面室を暖めるなどの工夫もされています。これこそ、まさに先人の知恵でしょうね。

現代の家相学では、「洗面室は家族の健康を大きく左右する場所なり。うがい、手洗いしやすい場所に設けると吉。顔色などを見る場所ゆえ、明るくすること良しとする。また洗面室こそ、暖かくすることで心の臓に吉となりけり」とお伝えしておきましょう。