リビングの家相

リビングは、住まいの一番メインの部屋といってよいでしょう。家族でゆっくり会話をしたり、テレビを見たり、団欒やくつろぎのひとときを過ごすリビングは、住まいにとって大切な場所です。ならば、やっぱり吉のリビングをつくりたいものですね。現代家相学でいう吉のリビングとは、そして、そんなリビングをつくるポイントを、今回はお話してまいりましょう。

リビングは家族みんなの部屋であり、長い時間を過ごす部屋です。そのためにまず大切なことは、過ごしやすい空間であること。寒過ぎず、暑過ぎず、明るい場所が理想です。昨今は住宅の性能もよく、エアコンや空気清浄機、換気扇などの住宅設備もどんどん発達して、快適な室内空間をつくることができるようになりました。ですから、極端にいえば、どんな方位のどんな場所であっても、過ごしやすいリビングをつくることは可能でしょう。

しかし、リビングはやはり、日当たりのよい南向きが吉と考えてほしいのです。南という方位は、太陽の高度が低い冬季は、部屋の奥まで日が差し込みますが、太陽が高く上がる夏季には、日差しはそれほど深く入らなくなります。ですから、南向きのリビングは、冬も寒過ぎず、夏も暑過ぎず、過ごしやすい空間になるのです。ただし、南向きでも南西に当たる場所は、西日を取り込み過ぎると暑過ぎる空間になってしまいます。その意味でも、やはりベストなのは東南のリビングといえますね。

とはいえ、日本の住宅事情では、南向きでも日当たりが確保できないケースも多いでしょう。家相の相談に訪れる方からよく質問されるのが、「南側の庭を何メートル確保すれば、冬の日差しが確保できるのか」ということです。南側の建物の形状や屋根の形によっても違いがありますので、一概には言えませんが、南側に2階建ての建物があれば、約6メートル前後確保できればよいとお話をしています。2〜3メートル前後しか庭が確保できない場合は、思い切って2階にリビングをつくることも吉と考えてよいでしょう。

そして、リビングには風通しも必要です。多くの人が集まりますから、それだけ空気も汚れますし、特に夏場は汗もかきますから、湿気もたまりやすい場所になります。過ごしやすい吉のリビングをつくるためには、日当たりだけでなく、風通しもきちんと確保しておきましょう。もし、どうしても風通しが悪いようであれば、天井にシーリングファンを取り付け、人工的に風(気の動き)を起こすのもよい方法です。

太陽の光と風を取り込み、よい気(暖かい乾燥した空気)に満ちた明るいリビング。これが、現代の吉のリビングです。また、リビングをつくる際にぜひ配慮していただきたいのが、「安らげる空間」づくりです。ストレス社会といわれて久しい昨今ですが、毎年3万人を超える方が自ら命を絶っており、その数はいまだ減ることはありません。どんな人でもストレスはあるものですが、それを住まいでどのように癒すかが重要だと思うのです。太陽の光が降り注ぎ、心地よい風が通り抜けても、落ち着いて過ごせないリビング、安らぎを感じられないリビングではもったいないですね。団欒やくつろぎの場であるリビングは、同時に心身ともに安らげる空間であってほしいものです。

昨今は、子供の様子を常に見ることができるからと、リビング内に階段をつくるケースをよく目にします。開放的で子育てにもよいと、このようなリビングのつくりを希望する人も多いのですが、私はこのような図面を拝見した際は、「リビングには安らぎも大切ですよ」とお話させていただきます。

リビング内の階段がすべて悪いわけではありません。しかし、親子関係もよいときもあれば、距離をおきたいときもあるもの。お互いの様子が見え過ぎてしまうのも、時には窮屈に感じてしまいます。リビングでの会話やテレビの音なども、階段を通じて2階に伝わりますから、受験期には気兼ねして過ごさなければならないでしょう。安らげるリビングをつくるには、そのあたりも十分検討していただきたいのです。

小池康壽の現代家相学では、「リビングは家族の安らぎの場所。日当たり、風通しを十分確保すべし。気兼ねなく会話をし、テレビを見られる空間をつくること、吉のリビングのポイントでもあるべし」とお伝えしておきます。