庭の家相


家相の古書には、「庭に大樹あるは凶」、「中庭に樹木、湿気の類あるは凶」など、庭に関する記述も数多くあります。よく「庭も家相に関係するのですか?」と質問されることがありますが、家相の古書にその記述があるように、庭のつくりも、住まいの良し悪しに大いに影響するものなのです。

ただ、これらの言葉も、庭に大きな樹があればそれだけで凶、中庭に樹木があればすべて凶、ということではありません。また、この方角にこの樹を植えれば吉、というものでもないのです。

大きく育つ樹木を南の庭に植えたら、せっかくの日当たりを妨げることになってしまうかもしれません。それが常緑樹であれば、日差しの恋しい冬も日陰のままです。また、中庭に水やりを好む樹木を植えたとしたら、ただでさえ湿気がこもりがちな中庭が、さらに湿気を増して、建物を傷めてしまうおそれもあります。縁起がよく吉といわれる樹木も、その名前やイメージだけで植えてしまうと、大きくなり過ぎたり、落ち葉の掃除で困ったりと、後で後悔することにもなりかねません。

庭をどうつくるかは、住まいを良くも悪くもします。言い換えれば、うまく庭をつくれば、住まいの欠点をカバーすることもできるということです。では、現代の吉相の庭はどうつくればよいか、お話してまいりましょう。

まず、私は、庭には大きく3つの目的があると考えています。それは、見ること、防ぐこと。そして、利用することです。

庭を見ることには癒しの効果がありますね。休日に庭を見ながらゆったりと過ごすこと、庭の草木に四季の移ろいを感じることは、ストレスの多い現代にはとても大切なことのように思います。緑は心身のリフレッシュにもよい色ですから、和室やリビング、浴室などから眺められるように、樹木や草花を配置してみましょう。

そして、庭にはさまざまなものを防ぐ力があります。門扉やフェンス、樹木は、道路や隣家からの視線を遮ってくれますね。特に樹木は、防風林や防砂林といわれるように、強い風や砂塵を防いでくれるもの、燃えにくい性質を持ち、防火樹として利用されているものもあります。風が強く当たる場所や、火災の火元になりやすい場所などには、これらを植えておくのもよいでしょう。

また、ヒイラギやバラのように棘のあるものを見ると、泥棒も心理的に侵入しづらくなるものだそうです。狙われやすそうな場所には、棘のある樹種を植えてもよいですね。西日を防ぐには落葉樹が効果的。西日の差す窓の近くに植えておけば、夏は茂った葉が西日を遮り、冬には落葉して日差しを通してくれます。

最後に、庭を日々の生活に利用することもよいことです。庭で食事をしたり、みんなで花木の世話をしたりすれば、休日も家族で有意義に過ごせるでしょう。ガーデニングにはセラピー効果があるとして、医療の現場にも活用されています。お年寄りと一緒に楽しむことも、とてもよいことですね。

このように、庭には住まいや日々の暮らしに、よい効果をもたらしてくれる要素が多くあります。庭づくりの際は、見た目だけではなく、外構設備や樹木などの機能、性質もよく考慮して取り入れましょう。外構設備は防犯性や耐久性もとても重要ですし、樹木の場合は、枝の伸びすぎや落ち葉が、近隣とのトラブルの元となることもありますからね。そして、忘れてならないのが風通し。門扉やフェンス、植栽も、住まいへの風通しを妨げないように工夫しましょう。

小池康壽の家相学では、「庭は住まいの良し悪しを最後に左右するものなり。庭づくり、大いに力を入れるべし」と申しておきましょう。