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光や風を住まいに取り入れてくれる窓ですが、時には、住まいにとって「ありがたくない」もの、「入ってきてほしくない」ものも取り込んでしまうことがあります。それは、火災の「火」や「泥棒」です。
冷たい北風や照りつける西日も、ありがたいものではありませんが、火や泥棒の場合には、万一入られてしまったら、大切な財産やかけがえのない命をも奪われかねません。光や風を効率よく取り込むための工夫はもちろんですが、火や泥棒といった「災い」の侵入を防ぐ工夫も、窓のつくりには不可欠なのです。
昨今は何かと事件が多く、物騒なご時世となってしまいました。そのため、住まいづくりの際に、防犯性を考慮する方も増えてきています。泥棒の侵入口になりやすい窓についても、防犯ガラスを採用したり、鍵を強化するなどの対策がされた図面をよく拝見するようになりました。また、火災に対しても、建物を耐火構造にしたり、火災に強い外壁を採用している図面を多く拝見します。

しかし、その一方で、窓の防火性に対しては、あまり意識されていないのが現状です。窓から光や風が入るのは実感できても、火が入ることはなかなか実感できませんからね。そこで、今回の「家窓学」では、窓の防火性についてお話をしてみたいと思います。

火の侵入、つまり、外部からの延焼に関しては、窓がウイークポイントとなることはあまり認識されていません。そのため、建物の構造や外壁の耐火性能は考慮しても、窓はなおざりにされていることが多いのです。耐火構造の建物であっても、火災に強い外壁を採用していても、窓からは火が入るのです。窓のガラスが溶けて、火が屋内に侵入してしまえば、あっという間にカーテンや家具などに燃え移ってしまいます。どんなに火災に強い建物でも、窓がある限り、万一のときには火に侵入されてしまうおそれがあるのです。
では、火の侵入を防ぐためにはどうすればよいか。それにはまず、隣家の窓をチェックすることが大切であると、私はいつもお話をしています。設計時は自分の家だけで手いっぱいで、隣の窓まで気にしていられないという方もみえますが、互いの窓と窓が向き合っていたり、距離が短かったりすれば、それだけ火災の際の延焼のおそれも高くなりますね。
「火」はもらうのも出すのも避けたいもの。既に隣家が建っている場合には、できるだけ窓同士の距離をとるように、窓の配置を工夫しましょう。万一の場合だけでなく、視線や音、臭いなどといった日常面の問題からも、そのほうが互いに暮らしやすく、望ましいことでもありますからね。できれば建物自体を、隣家からある程度は離して建てるようにしたいものです。
そして、配置とともに大切なのが窓のつくりです。住まいを建てる地域によっては、窓ガラスを網入りガラスにしたり、雨戸を防火仕様にしたりする対策が必要となりますが、そういう指定のない地域でも、隣家と近接している場合などは、防火対策を考慮した窓にしておきましょう。特に火災の火元になりやすいのは台所です。隣家の台所の近くに窓がある場合は、網入りガラスや防耐火ガラスを採用したり、雨戸やシャッターを設置しておくなどの備えも大切ですね。
取り入れるのも窓なら、入るのを防ぐのも窓なのです。光や風はしっかり取り入れつつ、防犯や防災にもきちんと配慮した窓づくりを、ぜひ実践していただきたいと思います。
小池康壽の現代家相学では、「窓は光も入るが火も入る。万一の場合も考慮して、火の侵入を防ぐ工夫も怠ることなかれ」とお伝えしておきましょう。
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