窓の家相学 |
私は現在、「家相学は家窓学」という考えを独自に提唱しています。窓はその設け方ひとつで、住み心地を大きく左右します。住まいの良し悪しは、「窓」で決まると言っても過言ではありません。家相のよい住まいとは、すなわち家窓(かそう)のよい住まいでもあるのです。 構造体によっていくらかの違いはあるものの、夏場も冬場も、住まいの熱量の40%から50%が窓から出入りしています。暖房をかけた暖かい部屋でも、窓の近くにいると寒く感じたり、冷房をかけても窓の近くが冷えにくいのは、窓が住まいの内外の熱を伝えているからです。たとえば、北風が強く吹く北側だけに窓をつくれば、太陽の恩恵を受けず、冬の寒さを大きく受ける住まいになります。また、西日の差す西側だけに大きな窓を設ければ、夏はとても暑い住まいになるでしょう。極端な話ですが、窓をまったくなくしてしまえば、住まいの熱損失は少なくなります。しかしそれでは、風や光も入らなくなってしまいますよね。ですから、窓をどう設けるか、その「さじ加減」が重要になってくるのです。 太陽の光も風もたくさん取り入れたいと考え、すべてを大きな掃き出し窓にしたら、光や風はふんだんに取り込めても、夏は熱気が侵入し、冬は熱損失の大きい、寒暖の差の大きな住まいになってしまいます。ですから、同じ間取りであっても、窓の大きさや高さ、またサッシやガラスの種類で、住み心地はずいぶん変わってくるのです。そして、窓に対して細やかな配慮をしてくれるハウスメーカーや工務店を選ぶことは、よい住まいをつくるための大きなポイントです。 たとえば和室では、ただ単に窓を取り付けるのではなく、低い位置に「地窓」を取り付けるとよいですね。畳に座ったり、寝ころんだりする和室は、部屋の低い位置で生活することが多い部屋です。窓も低めに設ければ、心地よい風を肌に感じられる快適な部屋となるでしょう。 また、周囲の視線が気になる部屋であれば、高い位置の窓(高窓)にしてあげましょう。視線を遮ることの他にも、天井部分にたまりやすい熱気を効率よく排出してくれる効果もあります。窓の上に欄間サッシを取り付ければ、就寝時や外出時でも風を取り入れることができるでしょう。 ただし、窓からは光や風だけが入るわけではありません。住まいづくりの際は、火災に強い建物かどうか、みなさんも神経を使われることでしょう。しかし、万一隣家から出火した場合には、どんなに頑強な建物であっても、窓が炎を招いてしまうのです。隣接する建物と窓同士が向き合っていれば、火は窓から燃え移ってきてしまいます。窓の配置を計画する際は、隣家の窓の位置も十分に考慮する必要があるのです。そして、何より大切なのは風通しを考えること。住まいには、日当たりよりも風通しが必要です。高気密な昨今の住宅だからこそ、窓から取り入れる自然の風が大切になるのです。自然の風を窓からどう取り入れるか、住まいの中の湿気や生活臭、腐敗した空気を窓からどう排出するか。四季の自然を楽しむことのできる日本だからこそ、しっかりと窓のことを考える必要があるのです。 住まいの中に気の流れが不足する場所をつくらないように、そして、空気のよどむ場所をつくらないように、図面の中に風の通り道を描き入れ、窓の配置をしっかりと計画してくださいね。 小池康壽の家相学では、「窓は住まいの良し悪しを左右するもの。ただ単に取り付けるだけでなく、サイズや位置、サッシやガラスなどにも気を配ることで吉となり」と申しておきましょう。 |