方位別 吉運になるヒント キッチン編

キッチンについては、その家相の言い伝えや、方位の特性などを以前お話しいたしました。



水回りであり火も使うキッチンは、昔から家相でも何かと凶事がいわれた場所ですが、現代にはそれを改善できる設備機器があります。その一方で、現代の住まいゆえ、さらに注意が必要な部分もあるのです。今回は、それぞれの方位の具体的な改善策をご紹介してまいりましょう。

・鬼門(北東)や北のキッチンを吉にするヒント

鬼門や真北のキッチンは、その寒さが凶たるゆえんです。家相の古書にも、「婦人経水病を発すべし」という言葉がありますが、冬の早朝に台所仕事をする主婦にとって、やはり冷えは相当に辛いものでしょう。寒い冬でも快適に、健康的にキッチンに立てるようにするには、寒さを緩和することが第一です。

それにはまず暖房ですが、キッチンには、場所を取らず効率よく暖めてくれる暖房器具がよいでしょう。システムキッチンの足元に装着する温風ヒーターなら、冷えが気になる足元が暖まりますし、局所暖房ですから食材にもほとんど影響ありません。空気を汚すこともなく、安全に使える暖房設備です。ビルトインタイプですので、後から付けることは難しいですが、新築やリフォームの際にはぜひ検討してみてください。

その他にも、防水タイプの足元マットやパネルヒーターなど、最近はキッチン用の暖房器具が増えてきました。これらもうまく使って、冬の寒さを改善しましょう。

キッチンの床暖房に関しては、私は経験上、寒冷地以外はあまりお薦めしていません。なぜなら、キッチンの床には、野菜やゴミ箱などを置くことも多いからです。これらの収納スペースをきちんとつくっておけばよいですが、キッチンは何かと物が多い場所。床が収納スペースになることも少なくありませんからね。キッチンに床暖房を採用する場合は、このあたりのことも考慮しておかれるとよいですね。

また、窓ガラスも断熱性の高いものにしましょう。特に勝手口は、熱損失の大きい場所ですから、断熱効果の高い材質のものを採用したいですね。床下収納庫も、その部分は断熱材がなくなるために冷えてしまうので注意しましょう。

以上のような対策法で、冬の寒さを緩和できれば、鬼門や北のキッチンはむしろ吉であると私は考えています。私の本宅のキッチンも鬼門にありますが、寒い場所であるという鬼門の特性は、食べ物を扱うには相性がよいですからね。

・     裏鬼門(南西)のキッチンを吉にするヒント

逆に、食べ物を扱う場所として不向きなのが南西です。迷信の多い家相の言い伝えの中で、南西の裏鬼門の台所は、現代でも大凶といえます。夏の強い西日は食材の傷みを早め、暑い中での火を使う調理は、主婦の体にも負担を与えます。夏を乗り切るためにも「食べること」は大切ですが、南西の暑いキッチンでは、それも脅かされかねません。

しかし現実には、西日の当たる暑い空間にキッチンを設けているケースも多いのです。「家相を生かした住まいを提案できるプロとはどんな人?」でも触れましたが、男性が設計者であることの多い建築業界では、台所仕事の経験がないために、エアコンや冷蔵庫があれば暑い西日が当たっても問題ないと考えてしまうプロも多いのです。遮熱ガラスやブラインド内蔵ガラスを採用しても、窓を開けてしまえば熱を取り込んでしまいますし、窓を小さくしても、外壁からの熱の伝導もありますからね。

ですから、やはり西日や南の直射光が強く当たる空間にキッチンをつくることは、現代でも凶と考えてほしいのです。いつもであれば、対策法をアドバイスするのが私の家相学。しかし、南西の裏鬼門のキッチンは、隣の建物などで西日が遮られない限り、凶と判断して設計の変更をお勧めしています。つまり、変更することが吉になるヒントなのだとお考えください。

・中央のキッチンを吉にするヒント

住まいの中央部は、暗く空気のよどむ場所です。家相では昔から五黄と呼ばれ、この場所の台所も大凶とされました。昔の建築技術では、台所を家の中央部分につくれば、排水や火の扱い、排気の問題など、苦労することもたくさんありますからね。

建築技術が向上した現代では、一戸建てでも家の中央部にキッチンをつくるケースが増えてきました。しかし現代でも、中央部のキッチンには注意してほしい点が多くあります。住まいの気密性能が高いため、換気扇の排気効率が悪くなり、調理時のにおいもなかなか抜けません。現代の住まいの気密性のよさが、中央のキッチンでは逆に不利に働いてしまうのです。

換気扇は、他から空気を取り入れることで、効率よく排気できるものです。換気扇があれば問題ないと思っている方も多いのですが、中央部のキッチンならなおさら、空気導入型の換気扇を採用したり、調理時の空気導入を確保する窓を、計画時にきちんと取っておくことが大切です。浴室やトイレと違い、キッチンの換気扇の排気量は桁違いですから、空気の取り入れ口がないと、室内の冷暖房された空気までしっかり排出されてしまいます。

キッチンの空気が汚れにくいという点では、IHヒーターなどのクッキングヒーターを採用するのもよいですね。また、自然の光が届きにくい中央のキッチンは、安全に調理を行うためにも、照明を明るめにしておきましょう。

小池康壽の家相学では、「キッチンの暑さ寒さは、食べ物や人に大きな影響あり。しっかり対策や変更をすべし。気密性の高い現代は、排気にも十分気を配ること大切なり」と申しておきましょう。