家相とは?

家相とは、ずばり「厄介なもの」です。「鬼門に玄関があると不幸が訪れる」、「水回りを鬼門につくると家族が病気になる」など、何がホントで何が迷信か、わけのわからない世界が家相でしょう。また、100人の人間が家相を見れば、100通りの意見があることも、家相を厄介なものにしている一因でしょう。全国から家相鑑定に来られる方々のお話をお聞きすると、「親戚にこの玄関はよくないと言われた」とか、「近所の占い師にこのお風呂は大凶だと言われた」など、家相研究家の私でも初めて聞くような「家相」が、次々に出てきます。

いっそのこと「家相はすべて迷信だ!」と切り捨ててしまえばいいようなものですが、はじめにお話をしたように、家相は厄介なものなのです。信用できない、いい加減な迷信が数多くある中に、理にかなった考え、現代にも十分通用する先人の知恵や経験もまた、家相には数多く含まれているからです。

たとえば、「厨(くりや)は未申(ひつじさる)に設けることは忌むなり」。

これは、古い家相書などによくある一節ですが、「台所を南西につくることはよくない」といっています。南西は西日が差し、夏は暑さが厳しくなる場所ですね。そこに台所をつくれば、暑い中で調理をする主婦の体に負担もかかりますし、食材も傷みやすく、食中毒を起こすおそれも出てきます。南西という暑い場所と、食物を扱う台所との相性を「凶」と考えているからで、これは、科学的にも納得できる理にかなった考えといえますね。

このように、家相とは、どうでもよいことと正しいことが交錯する世界なのです。ですから、家をつくるときに家相が気になるのであれば、「迷信」と「理にかなうこと」を分離して付き合うことがまず大切であると、いつも私はお話をしています。そういった気持ちを持って接すれば、家相は健康で快適に、そして安全に暮らすことのできる住まいづくりの手助けに、現代でも十分なりうるのです。

た、「玄関がこの場所にあるから凶」というように、何々がどこにあるから吉とか、あるいは凶とかいう考え方ではなく、住まい全体を見てよいか悪いかを判断してほしいのです。そして、住む人の住まい方も、家相には大いに影響するものです。

たとえば、玄関が鬼門にかからないようにし、窓の配置も風通しを十分考え、間取りも使いやすい吉の住まいができたとしても、掃除も一切しない、窓もほとんど開けることがないとしたら、そんな住まいは吉の住まいではありませんよね。

逆に、やむをえず鬼門に水回りがきてしまったり、思うような間取りができなかったとしても、日頃から掃除を心がけ、家の中に風を通すよう配慮して生活すれば、健康で円満な家庭生活が送れると私は思います。家相とは、先人の知恵、先輩の教えのようなものと考えていただければよろしいでしょう。

両親や祖父母の意見は、時代の違いもあり、すべてが聞き入れられるものではない場合もありますよね。しかし、人生の先輩として、経験者としての話には、時代を超えて納得できることや、重みのある言葉も多いはず。家相もそのようなものと考えていただければよいかと思います。