出窓が多すぎるは大凶

「家相学は家相学」、今回は「出窓」についてのお話です。出窓はデザイン的に見栄えもよく、住まいに豪華さも感じさせますね。また、光も多く取り込むことができるため、窓の中でも人気が高く、住まいに取り入れたいと希望する方も多いようです。しかし、この出窓も、用い方によっては住まいに「凶」をもたらしてしまうことがあるのです。

下の図面をご覧ください。出窓をたくさん設けているこのような図面は、鑑定の際などにもよく拝見するのですが、これは、家相学的には大凶の住まいになりかねないケースです。では、どんな点が大凶なのか、みなさんはわかりますか?

それは、出窓が多すぎることです。光を多く取り込みたい、住まいの見栄えをよくしたいと思うのはもっともなことですが、出窓にも相性のよい方位もあれば、悪い方位もあり、出窓が適する部屋もあれば、不向きな部屋もあるのです。



以前にもお話しましたが、住まいの中の熱損失の割合は、窓ガラスが一番大きいのです。どんなに気密性能が高く、断熱性能がすばらしい建物であっても、冬場に窓際に立てば、その寒さにはみなさん気付かれることと思います。出窓は、そのガラスの使用面積が大きい窓です。自動車のラジエーターの原理と同じで、表面積が大きくなればなるほど、熱を逃がす量も増えるわけです。つまり、このように出窓が多いと、冬はとても寒い住まいになってしまうおそれがあるのです。

風水では、北に山を背負うことを吉としています。これは、寒い北風を受けないことで、過ごしやすい環境をつくるという生活の知恵でもありました。日本はどちらかといえば、冬に北から寒い風が吹く地域が多く、上記の図面のように北側に出窓を多く配置すれば、北風の影響でより室内の熱が奪われることでしょう。

台所が寒い環境であれば、そこに立つ主婦の体は大きな負担を受けます。冷えから体調を崩すこともあるでしょう。洗面所や浴室が極端に冷え込めば、ヒートショックを起こすおそれもあります。またトイレでも、寒さの影響で脳卒中などを誘発しやすくなってしまうでしょう。寒い冬場は、これらを防ぐためにも、リビングとの温度差を大きくしないような生活習慣が大切になります。キッチンの足元ヒーターや浴室暖房の設置、洗面所やトイレにも暖房の工夫をするなど、寒さの対策をすることは大切ですが、むやみにガラス面積の多い出窓だらけの住まいをつくることも、できるかぎり避けたほうがよいのです。

もちろん、出窓自体は決して凶ではありません。前回お話した南側や、東南の部屋などには、太陽の光をたくさん取り込むことができる出窓は吉のアイテムです。大切なのは、出窓を効果的に使える場所かどうかを考慮すること。そして、北側などの寒い場所に出窓を設ける場合は、ガラスを高断熱複層ガラスにしたり、窓枠を熱損失の少ない材質にしたりして、寒さに備えることです。その他、既存の窓ガラスの内側の枠材を利用して、2重サッシにする「内窓」も、熱損失を少なくするのにはよい対策でしょう。

また、出窓は雨戸やシャッターが付けられないことが多く、防犯面や台風の時などには、安全性で不利になる場合もあることも考慮していただきたいのです。見栄えだけでなく、出窓のよい点、悪い点をよく考えたうえで、住まいにとって吉となるように取り入れていただきたいものですね。

小池康壽の現代家相学では、「出窓も多すぎれば凶となり。熱損失や防犯、防災面も考慮して、適所にほどほどに用いるが吉」と申し上げておきましょう。